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がくせん!

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    殺してみるタグ 涼平→紡その2

    ​「突然ですが… 姫には、死んでもらおうと思います」
    「なんで?!」





    飄々と言い放つと同時に、隣の地面にずしん、と衝撃が走った。
    ストールの端を掠めて、紡の振り下ろすメイスがコンクリートを砕いていたのだ。

    うわやっべー。こいつやべー。
    全く殺気を感じなかったから、ケースを降ろした瞬間警戒できなかった。
    顔見知りだから、後輩の兄弟だから…と油断していた自分を呪う。

    「なんで?!なにかの!!まちがい!!」
    とりあえず叫びながら校内に駆け戻り、次の行動を考えた。
    あのメイス相当重いぞ。校舎内でぶん回されたら周囲への被害がでかすぎる。
    かといって開けたとこに逃げたってジリ貧だ。


    1階の渡り廊下を横切り、演習場の方へ走る。と、ちょうど道場に向かう波野泡沫が見えた。
    「うたちゃんちょっとそれ貸して!!!」
    泡沫から弓矢をふんだくり、Uターンして弓を番える。
    「ちょっとどうしたんですか氷上先輩?!」
    「ごめん今忙しいからとりあえずここから逃げて」

    後ろに他の生徒はいないな。
    バゥウン。と風を鳴らして矢が飛ぶ。
    …かすっただけか。


    俺は即座に武器を放り投げ、泡沫の文句を聞き流しならまた逃げ始めた。

    あのでけー武器抱えてあんだけ軽々動けるなんて何者なんだあいつ。
    いや、魔王様の弟だぞ…と思ったとたん背筋が凍りついた。
    あのレベルの身体能力となれば俺の実力ではまともに太刀打ちできない。

    逃げながらまず落ちついてもらいつつ、援軍を待つのが最善か。
    ああー銃携帯しとけばよかった。


    うちの学校は一般校舎の隣に特殊校舎が併設されており、更にその奥に演習場がある。
    演習場は学校にしては広大な敷地に、射撃場や弓道・剣道の道場、開けた運動場などが設置されている。今の時間ならまだ訓練に来る学生は少ないが、人がいないというわけでもない。
    一般校舎の端に差し掛かったところで、湯辺ヨシアキラが汗をふきながら戻ってくるのに遭遇した。

    「ゆうべぇええええ!!校内放送!白軍生徒一名が校内に侵入、襲撃中、避難すること!」
    「うっわあああ氷上先輩?!びっくしたーー!えっ了解です!援軍は?!」
    「遠距離武器精鋭でお願いします狙われてるの俺逃げとくね10分以内でおねがい俺しぬからあとこれ借りるね」
    「わっかりましたぁああ!!」

    ビシッとサムズアップして湯辺は校舎の方に疾走していった。
    湯辺、サムズアップは違う。あとエロ本もカバンに入っててどっちかっつーとそっち借りたかった。

    勿論そんな状況じゃない。湯辺から拝借した仕込み銃の安全装置を解除し、俺は追ってくる敵に向き直った。
    紡の足元に向けて2,3発威嚇射撃する。
    「おっととと…よっと。」
    進路を遮られてよろけたが、難なくバランスを取り直す紡。なんなの、あの怪力。

    「ねえちょっと落ちついてくんない?俺なんで殺されるのかわかんないんだけど。」

    とにかく時間を稼ぎたい。湯辺が誰かに報告して、そっから援軍が派遣されるまで少し時間がかかるだろう。
    この調子で逃げ回っても5分もつか危うい。
    そもそも説得して帰ってもらえるならその方が万々歳だ。


    「ふぁ〜?えっと、言ってなかったっけ。」
    「聞いてねぇよ」
    「おっとと…えと、自分の姉が、姫に恋しちゃったみたいで。」

    なんですと。俺モテ期来たか。
    いや、そこじゃねえ。
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