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がくせん!

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    龍→涼お友達タグでKaLさんが書いて下さったやつの涼バージョンです。


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    第一印象は、「あ、こいつ早々に死ぬな。」だった。
    初日から先生に注意されてるし元気はいいけど…って感じ。


    第二印象は、「あ、こいつ意外と生き残るな。」だった。
    体力テストで複数種目、クラス上位にいたのは知ってた。
    けど、演習では群を抜いて動きが良かったから驚いた。
    突っ込みすぎて死ぬかもな―と思ってたけど、運動能力、戦闘へのカンがそれを補って余りある。
    レベルが高ければ多少の効率性の低さは誤魔化せるってことだね。




    第三印象は、「あ、こいつやっぱ死ぬな。」だった。

    「すぐ川島ん所に連れてってやるからな!」
    「できんの?」

    入学して2回目か、3回目ぐらいの出撃だった。
    1年生ながら先鋒に抜擢された神名と摩島は、白軍の奇襲を受けて廃ビルに逃げ込んでいた。


    「明らかに突っ込みすぎでしょ。横から奇襲受けて分断されんの当たり前」
    あーあ、出撃前に言ったのになー。
    先遣隊だけあんなに先走っちゃって、はいここが狙い目ですよ、討ってくださいって言ってるようなもんじゃん。
    白軍が戦力出し惜しみしてるのも隠す気あんのって感じだし、うちを長く伸ばして蹴散らそうって魂胆見え見えじゃーん。
    俺は後衛部隊にいたけど、様子見に来てよかった。
    予想通り不意つかれちゃったね。

    神名が何を言っているんだこいつは、と言いたげな怪訝な顔をする。
    「桜井先輩の命令だろ」

    ……なに言ってるんだこいつは。
    あーあーまーわかりやすいキャラですことー。熱血、単純、猪突猛進、思考停止。
    命令=自分の行動ね。はいはい。ほんとにいるんだ。こういう人。死ぬよお前。

    ていうか桜井先輩?今日の部隊長ね。
    あの人戦闘力めっちゃ高いし演習ではきっちり作戦組んでくるんだけど、なんだかなー、実戦に行く

    とちょっとずれるよね。
    大体今日の配置だって、神名と摩島が運動能力高いってだけで斬り込み隊長でしょ?
    座学は寝てるわ、地図は頭に入れないわの新入生固めてどうやって生き残れっていうの。
    しかも摩島が人ごみ苦手って知らないの?序盤あんな混んだ配置して。
    あんま知らない新入生だからデータしか見てないんじゃないの。
    自分が強いからそのへんザッパなんだよな。
    しかもなんだ、戦場ハイテンションっつーか、あの人セオリー通りに作戦立てるタイプなのに戦場だとそれ結構飛んじゃってんじゃん。そのせいで下した突撃命令だったんだろ。



    「なんで? 戦場の動きどうこうじゃなく、先輩の命令だから聞いちゃうわけ?」

    あんま思わないようにしてるけど思っちゃうね、前も思った、バカじゃないの。
    お前ら全員。

    「俺の言った通りに動けば奇襲防げたのに」
    俺はちゃんと考えて言ったのになー。


    神名が眉をつりあげて立ちあがった。
    ちょっと、短気だなーもー。
    「言った通りに? 人のことコマみてえに言いやがって!」
    コマ以外の動きできてないのに??言う〜

    神名が俺の胸倉を掴みあげた。いやーちょっとこのストール初任給で買ったんすけどー
    と、思うと同時に左頬に鈍い痛みが走り、俺は床に投げ出された。
    いってー。
    ちょっとちょっと話し合いでどうこうしようよ。拳で語り合うとか古くね?
    まあでも、カッとなって殴ったにしては普通だな。
    こいつ殴打は強くない。多分摩島にやられてたら俺死んでた。

    「おい、龍!」
    「コマがてめえを殴るかよ! え!?」
    はい、殴られましたー。
    コマ中のコマに殴られました―。いったーい。
    そういうことは頭働かせてから言ってよ。
    「…ひどいなー」
    俺、すねちゃう。桜井先輩の言うことは盲目的に聞くのにね。
    「でも、桜井先輩のコマなんでしょ?」


    神名は拳を握りしめて、挙げかけて降ろし、しゃがんで俺に目線を合わせた。


    「オレはな。桜井先輩を信頼してんだよ」
    「信頼すればコマになんの?」
    「そうだよ!」

    俺は思わず神名の顔をまじまじと見た。
    信、頼。
    信頼が大事ってのはわかりますよ。なんとなく。
    いやでも、俺は今まで理屈が伴ってるのが前提だって思ってきたわけで。
    そっかー、理屈立ててちゃんとした説明しなくても信頼できて、それがあれば無条件に動く人種っているんだな。
    しかも結構リスキーなことでも。
    信頼関係ってすげえ。よしこれからちゃんとケアしーよおっと。
    実績で培うのか心情で培うのかはよくわからないけど。両方かな。



    そのとき外からばたばたと足音がした。
    3人。4人。ぐらい?
    「こっちだ、この中だ!」
    「ちっ」
    ああ追手が来たね。
    神名が学ランを羽織り、鎖鎌を拾い上げた。
    「やるっきゃねえ。背中頼むぜ」

    へぇ?
    「なんで?」
    「楼が動けねえからに決まってんだろ!」
    「いや、そうじゃなくて」
    俺のことは信頼してないんじゃなかったの。

    「ぐだぐだ言うな。オレをコマにしたかったら、オレを信頼させてみやがれ!」

    ああそう。了解です。
    前向きに検討してくれてるんですね。
    アホだな、こいつ。おもしれー。
    人の興味をひいて士気を鼓舞するの、ちょっと上手いかもしんない。
    理屈抜きで。こいつがいれば俺、楽できそうだな。

    「そ。じゃあ、信頼させてこき使っちゃうよ?えーと、下の名前なんだっけ?」
    「龍人」
    「じゃあ、生き残ったらりゅーたんて呼ぶ」
    「りゅーたん!?」

    俺と契約してコマになってよ!りゅーたん。
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